高知県における高齢化社会の課題について

高知県では、高齢化社会が全国の中でも早く到来すると予測されています。高知県は全国平均よりも10年先を進んでいるとのことです。

高知県の2050年の人口減少の推計

こちらは、国立社会保障・人口問題研究所が2023年に発表した「日本の地域別将来推計人口」のデータを基に作成した、高知県における2050年の人口減少予測です。

この表は、高知県内の市町村を対象に、2025年の人口を基準に2050年までの人口減少率を計算し、減少率が大きい順に並べたものです。

高知県の34市町村のうち、減少率が50%以上となる自治体は9つあり、今後の人口動向が注目されています。

まずは、以下の表をご覧ください。

表の下部には、奈半利町、土佐町、芸西村などの町が含まれています。

いずれも人口が3000人規模ですが、各地域では、さまざまな工夫を凝らしながら、人口減少に対応しているようです。

特に芸西村は、高知市や南国市、香南市といった県内で人口の多い市と同様に、減少率が20%台にとどまっており、地域での取り組みが良い影響を与えているように感じました。

このように、地域ごとの工夫や取り組みが、人口減少のペースを抑えることに繋がっていることが伺えます。

芸西村の人口減少対策について

芸西村のホームページには「芸西村人口ビジョン <改訂版>」というPDFが掲載されており、その21ページには「国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づいた人口予測」が記載されています。

この推計によると、15歳以下、16~65歳、65歳以上の各年齢層で、ほぼ同じ割合で人口が減少していることがわかります。

芸西村の主力産業は農業で、大規模なビニールハウスを活用した効率的な農業が行われています。

こうした取り組みが、芸西村における人口減少を緩やかにしている一因になっているのかもしれません。

このような事例は、高齢化が進む中でも、地域の産業を活性化させることで、人口減少を抑えたり、地域の発展を持続させるためのヒントとなる可能性があります。

労働力不足解消の一助:障害者の活躍

こちらのグラフは、日本の総人口のこれまでの推移と将来の見通しを示しています。

高知県でも、労働人口が少なくなってきていることが問題となっていますが、この課題は日本全体でも同様に注目されている重要なテーマです。

高知県の一次産業と労働力不足

高知県では、農業などの一次産業が主要な産業となっています。

しかし、労働力の不足により、農業を続けられる人が少なくなり、農家の後継者不足や耕作放棄地が増えるといった課題が出てきています。

今後の取り組み

高知に移住してから4年が過ぎました。その中で、高知県の農家の皆さんとのつながりも少しずつ広がってきました。

農家の皆さんとお話ししていて、特に多く耳にするのが「担い手不足」の問題です。

生産のノウハウはあるものの、後継者がいないために廃業せざるを得ないという現実があります。

また、後継者が見つかったとしても、作業を担う人手が足りず、営農が難しいという声もよく聞きます。

そんな中で、「農福連携」という取り組みについて耳にしました。

農業の担い手が見つかったとしても、収穫期など、どうしても人手が必要な時に助けが得られないと、営農は難しいのが現状です。

しかし、障害を持つ方が協力してくれることで、人手不足の解消につながる可能性があるという話でした。

この話を聞き、農福連携についてさらに調べていく中で、農家の皆さんを支援できる新たな可能性が見えてきました。

農福連携の可能性

農福連携とは、農業と福祉を結びつけ、障害を持つ方に農作業を手伝ってもらう仕組みです。

この取り組みを通じて、農業の人手不足を補い、新たな就労の場が広がる可能性があります。

高知県の多くの農家さんは、特に収穫期の人手不足が課題となっていますが、農福連携によって、作業のサポートが得られることで、農家さんの負担が軽くなり、持続可能な農業が期待されています。

また、農業という新たな分野での経験は、障害を持つ方にとって、自立や社会参加を後押しする機会となるかもしれません。

最後に

農福連携は、農業と福祉を結びつけ、新たな可能性を生み出す取り組みです。

少しずつ進めていく中で、農業の担い手不足の解消や地域の活性化に役立つかもしれません。

今後も、皆様のご協力をいただきながら、この取り組みを続けていければと思います。