明徳義塾中学・高等学校では、学業だけでなく、生徒たちが人間としての幅を広げ、健やかに成長できる環境が整っています。

多様な文化背景を持つ生徒たちが一緒に学び、互いを尊重しながら成長していくことができるのも、この学校の特徴です。

また、明徳義塾では「徳・体・知」のバランスを重視しており、知識を身につけるだけでなく、豊かな人間性や体力も育むことができます。

生徒たちがそれぞれの目標に向かって努力しやすいよう、学校全体で支える姿勢が印象的でした。

1 明徳義塾中学高等学校 教育方針

明徳義塾中学・高等学校(以下、「明徳義塾」)では、「徳・体・知、三位一体による真の人間教育」という建学の精神を大切にしています。

学業だけでなく、生徒たちが心身ともに健やかに成長できるよう、バランスの取れた教育を行っています。

1.1 徳・体・知の形成

明徳義塾では、「徳・体・知」のバランスを大切にしながら、生徒たちが成長できるような教育を行っています。

学問だけでなく、心と体の成長も大切にし、充実した学校生活が送れるよう配慮されています。

これらの三つの要素をバランスよく身につけることが、生徒たちが将来に向けて健やかに成長していくための大切な土台になると考えられています。

明徳義塾では、この教育方針のもと、生徒たちが日々の学びや生活を通じて、さまざまな経験を積み重ね、自然と成長していける環境が整っています。

1.2 校名の由来

「明徳」という校名は、中国の古典『大学』に由来しています。

この言葉には、先人の教えや自然の理(ことわり)を理解し、自らの精神を高めながら、道徳を実践していくという意味が込められているそうです。

明徳義塾では、学ぶ目的を大切にしながら、知識だけでなく心身の成長を目指した教育が行われていると感じます。

徳を養い、体を鍛え、知性を高めるという考え方のもと、生徒たちが成長していける環境が整えられています。

2 具体的な教育

明徳義塾では、生徒たちが幅広く成長できるよう、さまざまな教育プログラムが組み込まれています。

ここでは、明徳義塾の具体的な教育内容についてご紹介します。

2.1 学びの成果

明徳義塾では、学業に加えて、生徒たちが幅広い経験を通じて成長できる環境が整っています。

「徳・体・知」を大切にした教育の一環として、クラブ活動にも力を入れており、運動部や文化部を通じて、それぞれの興味や才能を伸ばすことができます。

生徒たちの中からは、サッカーの日本代表として活躍した三都主アレサンドロさん、大相撲で横綱にまで登りつめた朝青龍明徳さん(本名:ドルゴルスレン・ダグワドルジさん)、2021年にゴルフのマスターズで優勝した松山英樹さん、プロ野球選手など、数多くの著名な卒業生が輩出されています。

また、吹奏楽や演劇、和太鼓などの文化部に所属している生徒たちも、さまざまな大会や発表会で成果を上げています。

明徳義塾でのクラブ活動は、学業以外の分野でも自己を高め、仲間と協力して目標に向かって努力する貴重な機会となっていると感じました。

これらの経験を通じて、生徒たちは国内外で多くの活躍を見せる卒業生たちのように、自分自身の可能性を広げているのだと思います。

こちらの写真は、応接室に飾られている、OB・OGの活躍を記録したものです。

たくさんのトロフィーに飾られた棚

優勝盾

優勝カップ、優勝盾の数々

左は第84回(2002年夏)の高校野球全国大会の優勝旗

カヌーやソフトボールなど、たくさんの大会で好成績を収めています

2.2 優秀な指導者の存在

明徳義塾中学・高等学校では、経験豊富な指導者が、生徒たちの成長をしっかりと支えています。

指導者たちは、技術的な指導だけでなく、チームプレイの大切さや戦略を教え、生徒たちが自分の力を最大限に発揮できるようサポートしています。

また、技術の向上にとどまらず、精神的な強さや礼儀作法といった、日常生活でも大切なことを重視し、人間としての成長にも力を入れています。

このように、明徳義塾には各分野の専門家が集まり、生徒たちは学問だけでなく、クラブ活動を通じて多くのことを学んでいます。

優れた指導者との関わりの中で、生徒たちは技術面だけでなく、精神面でも大きく成長しているようです。

3 明徳義塾の施設

明徳義塾では、生徒たちが充実した学校生活を送れるよう、さまざまな施設が整っています。

3.1 充実した教育施設

明徳義塾には、多彩な施設が揃っており、生徒たちが学びや運動にしっかり取り組める環境が整えられています。

例えば、2つの野球場やサッカー場、テニスコート、ゴルフの練習場、相撲の土俵など、さまざまなスポーツ施設があります。

また、体育館に加えて、卓球場、柔道場、剣道場といった室内競技のための施設も充実しており、これにより生徒たちはさまざまなスポーツを楽しみながら成長することができます。

さらに、これらの施設は「道場」と呼ばれ、例えばサッカー場は「サッカー道場」、ゴルフの練習場は「ゴルフ道場」と呼ばれています。

「道場」という言葉には、スポーツを通じて技術だけでなく、人間としての成長も大切にする場という意味が込められているのかもしれないと感じました。

3.2 明徳ゴルフ道場

明徳ゴルフ道場は、設備が整った専用の施設で、生徒たちはここで技術を高めるため、日々練習を重ねています。

ゴルフに集中できる環境が整っており、落ち着いて練習に取り組める場所です。

ゴルフ道場の外観

中の様子

3.3 野球部(野球道場)

全国から集まった高校球児たちは、集中して練習に取り組むために、他のクラブとは別の寮で生活しています。

野球部の部員の寮

野球道場(外野席側から撮影)

明徳義塾の野球道場は、ホームベースからバックスクリーンまでの距離が120mあり、甲子園球場の118mとほぼ同じです。日々の練習から甲子園を意識しながら取り組める環境です。

野球道場(バックスクリーンのところ)

野球道場(バックスクリーンの表示)

3.4 体育館

左側の奥に見える建物は卓球道場

3.5 サッカー道場

サッカー場は、校舎から200mほどの場所にあります。敷地が広いため、サッカー場までの移動も体を鍛える一環として役立つ環境です。

入り口付近から撮影

中の様子

3.6 プールと空手道場

学校の敷地内には研修会館があり、その隣に空手道場、さらにその隣にはプールがあります。

ソフトボールの練習場(ソフトボール道場)も備えられています。

3.7 その他の施設

明徳義塾には多くの留学生が在籍しており、日本全国からも生徒が集まっています。

そのため、寮をはじめとした生活環境もしっかりと整えられており、生徒たちが快適に過ごせるよう工夫されています。

3.7.1 男子寮

まず、男子寮についてご紹介します。こちらは5階建ての寮で、階段を上がると北側に廊下があり、部屋は南向きで日当たりが良好です。

男子寮の外観

男子寮の玄関

寮の廊下の様子

寮の部屋の様子

こちらは4人部屋の様子です。写真にある「1人分のエリア」では、上にベッド、下に勉強机が配置されており、機能的な作りになっています。

寮は高台にあるため、見晴らしも良く、気持ちよく過ごせる環境です。

この部分は1人分のエリア

ベランダからの眺め

寮にはさまざまなタイプがあり、野球部の生徒は他の生徒とは別の寮で生活しています。

共同生活では、異なる価値観や考え方を持つ仲間と生活を共にするため、お互いを理解し合う貴重な機会となっています。

寮生活を通じて、相手を尊重しながら人間関係を築いていく経験が得られるようです。

また、明徳義塾には多くの留学生が在籍しており、さまざまな文化や背景を持つ生徒たちとの交流を通じて、自然と多様性を受け入れながら成長できる環境です。

学校として特別な授業や指導を行うわけではなく、日々の生活の中で生徒同士が自然に学んでいます。

生徒たちは自主的に話し合い、お互いに住みやすい環境を作り上げており、このような取り組みによって、より良い生活環境が生まれています。

さらに、寮生活では生徒と教師が同じ寮で生活する「師弟同行」を実践しており、挨拶の励行や掃除、時間厳守といった基本的な生活習慣が自然に身についていきます。

このような日常の習慣を通して、生徒たちは、自然と規律や協調性を身につけているように感じました。

「師弟同行」で生徒と教師が生活をともにすることで、もし生徒に何かあった時にはすぐに教師が対応できる環境です。

教師が身近にいることは、生徒の保護者にとっても心強い支えとなっているのだなと感じました。

3.7.2 女子寮

女子寮は、学校敷地の一番奥の高台に位置しています。建物に入るにはゲートがあり、外部からの来客は許可された方以外は入ることができないようになっています。

お子様を預かる学校として、生徒の安全を最優先に考え、このようなセキュリティ対策が施されています。これにより、保護者の方々にも安心していただける環境が整っています。

女子寮も男子寮と同じく、基本的には4人部屋で構成されています。

3.8 研修会館

研修会館は高台にあり、ここからは学校の敷地全体を見渡すことができます。

研修会館は主に宿泊施設として利用されており、海外からの短期研修やオープンキャンパスの宿泊等、有料の校内ホテルとして活用されています。

事前に学校に相談し許可を得れば宿泊が可能で、滞在中は生徒たちと同じ給食を取ることができるため、生徒たちの食生活を体験することができます。

研修会館(全景)

研修会館(正面入口)

3.9 送迎バス

明徳義塾は、竜キャンパスと本校に分かれています。

本校の寮で生活している本校の生徒が竜キャンパスへ移動したり、竜キャンパスの生徒が本校へ来たりする際には、明徳義塾所有の大型バスや中型バスが運行されています。

どちらのキャンパスにも十分な駐車スペースがあるため、移動もスムーズに行われています。

バスの運転は教職員が担当しており、多くの教職員が大型バスの運転免許を持っているそうです。

多くの大型バスが竜キャンパスで待機

昼間の送迎のために準備された中型バス

4 竜キャンパス

明徳義塾には本校のほかに竜キャンパスがあります。竜キャンパスは勉学を重視しており、運動施設は限られていますが、運動場はテニスコートやサッカー場としても活用されています。

ここからは、竜キャンパスの様子をご紹介します。

4.1 竜キャンパスの外観

竜キャンパスは、もともと「グリーンピア土佐横浪」の「竜基地」として建設された施設を校舎として利用しています。

質の高い設備が整っており、落ち着いた雰囲気の中で学べる環境となっています。

竜キャンパスの正面玄関

生徒が出入りする玄関

校舎(各階に教室が設けられています)

4.2 校舎の内部 玄関や廊下

玄関

1階の廊下(左側が教室)

2階の廊下の様子

中庭

4.3 食堂

明徳義塾では、在学生の約1/3~1/4が外国籍の生徒です。

アレルギーや宗教的な理由で食べられない食材がある場合にも、できる限り対応できるよう、食事のメニューに工夫がされています。(※重度のアレルギーがある生徒の受け入れはできません。)

食堂の様子

4.4 教室

竜キャンパスの教室は、中学1年生から6年生までの生徒が在籍しています。

中学生は国際クラス、高校生は英語クラス、日本語クラス、中国語クラス、特進クラスに分かれており、年度によって生徒数は異なりますが、1クラスあたりおおよそ30名ほどです。

教室の様子

4.5 図書館

書籍棚の様子

書籍棚の隣にある自習室

4.6 姉妹校との提携証とOB・OGの写真

竜キャンパスには、姉妹校との提携証やOB・OGの写真が掲示されています。これらは、学校の歴史や卒業生たちの姿を知ることができます。

姉妹校との提携書

OB・OGの写真

まとめ

明徳義塾中学・高等学校は、独自の教育方針で知られています。

「徳・体・知」のバランスを大切にし、生徒たちが学問だけでなく、心や体も一緒に育むことができるよう工夫されています。

学習面での充実したカリキュラムに加え、スポーツ活動も盛んで、生徒たちが幅広い分野で成長できるよう支えられています。

特にスポーツ分野では、サッカー日本代表や大相撲の横綱、ゴルフのマスターズ優勝者など、多くの卒業生が世界で活躍しています。

施設面も充実しており、野球場、サッカー場、ゴルフ道場などの運動施設に加え、室内競技用の施設も整備されています。

寮生活では、異なる文化や背景を持つ生徒たちが助け合い、共に生活することで、お互いを尊重する心を育む機会も得られます。